「虫歯のリスクを高める習慣」と聞いて思いつくことは何でしょうか?
「歯を磨かないこと」や「甘いものをたくさん食べること」はもちろんなのですが、虫歯のリスクを高める習慣は他にもあります。
歯磨きの回数が少ない
一つ目は、歯磨きの回数が少ないことです。
では一日に何回磨けばいいのかというと、その前に、「歯磨きの本当の目的」はご存じでしょうか?
食事をして何時間も歯を磨かずにいると、歯の表面にプラーク(歯垢)というネバネバした細菌の塊ができます。
そのプラークが虫歯の原因となります。
つまり、歯磨きの本当の目的は、食べかすを取ることではなく、虫歯の原因となる細菌を取り除くことなのです。
このことから、歯磨きは毎食後が理想的です。
一日1 回しか磨けないという場合は、夜寝る前に丁寧に磨くようにしてください。
なぜなら、夜寝ている間は唾液の量が減り細菌が増えやすく、特に虫歯になりやすいからです。
そして歯磨き粉はフッ素入りのものを、さらに一日1 回はフロスの使用をおすすめします。
フッ素入りの歯磨き粉を使うことで歯を強くし、虫歯の予防効果が高まります。
フロスを使うことで、歯ブラシだけでは落としきれない歯と歯の間のプラークを取り除くことができます。
間食が多い
二つ目は、間食が多いことです。
食事をすると、お口の中が酸性に傾きます。
酸性の状態になることで、歯のエナメル質が溶けていきます。(脱灰)
そして唾液の成分が、ゆっくりとエナメル質を修復していきます。(再石灰化)
このように食事をする度に、脱灰と再石灰化を繰り返しています。
こまめに食事をすることで酸性の状態が続き、脱灰と再石灰化のバランスが崩れるため、虫歯のリスクが高まります。
再石灰化には1時間ほどかかるといわれているので、次の食事まで3時間は空ける必要があります。
甘いものをよく食べる
三つ目は、甘いもの(糖)をよく食べる事です。
虫歯菌は糖をエネルギーにしています。
しかし虫歯になるからといって、甘いものを極端に我慢する必要はありません。
3時のおやつといったように、一日の中で時間を決めるようにしてみてください。
そして、ジュースなどの甘い飲み物は飲まないという方もいらっしゃると思いますが、甘さを感じない飲み物にも、砂糖が含まれている場合が多いです。
最近はテレワーク中に、砂糖入りのコーヒーなどを一日中飲んでいる、という方も増えてきています。
部活やジムなどでスポーツドリンクをこまめに飲む習慣がある方も、注意が必要です。
ガムを噛む習慣のある方は、キシリトール入りのものに変えてみることをおすすめします。
キシリトールには甘さはありますが、虫歯の原因にはならない甘味料です。
乳歯や生えたての永久歯は、特に虫歯になりやすいため、ご家庭でおやつの時間やルールなどを決めておくと良いですね。
口呼吸をしている
口で呼吸をすることも、虫歯のリスクを高める習慣の一つです。
唾液には歯を保護するだけでなく、殺菌などのさまざまな効果があります。
お口の中が乾燥することで、虫歯だけでなく、歯周病のリスクも高まります。
口呼吸によって喉からウィルスを取り込みやすくなり、風邪をひきやすくなる原因にもなりますので、普段から鼻呼吸を意識するようにしましょう。
歯科医院に行っていない
定期的に歯科医院でメンテナンスをすることで、虫歯になりかけている歯を見つける事ができます。
お口の中の状態にもよりますが、最低でも3〜6ヶ月に一回は受診することをおすすめします。
そして歯科衛生士による歯石除去や、プラークがたまりやすい場所の磨き方、フロスの使い方のアドバイスを受けることによって、より虫歯予防の効果が高まります。
他にも心配なことがありましたら、歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。