寝ている間に行うことが多い歯ぎしりは、無意識で自分ではほとんど気がつきません。
歯ぎしりを放っておくことでさまざまな悪影響を及ぼします。
今回は、歯ぎしりの原因や対処法について解説します。
歯ぎしりとは?
歯ぎしりとは、無意識に上下の歯を擦り合わせたり、噛み合わせたりしてしまう癖のことです。
歯ぎしりといえば寝ている間に行うものといったイメージですが、実は日中にも無意識に行なっている場合もあります。
特に集中している時や、スポーツ中など力を入れる動作の際には上下の歯に力が入ってしまいがちです。
安静にしている時でも、通常は唇は閉じていても上下の歯は触れていないのが正しい状態です。
上下の歯が接触しているだけでも悪影響を及ぼすと言われています。
歯ぎしりの種類
歯ぎしりの種類は寝ている間に行う場合と、日中に行う場合に分類されます。
睡眠時の歯ぎしり
- グラインディング:上下の歯をギリギリと擦り合わせる
- クレンチング:上下の歯をグッと噛みしめる(食いしばり)
- タッピング:上下の歯をカチカチと噛み合わせる
一般的な歯ぎしりと言われるグラインディングは、ギリギリと大きな音がなるため家族にも指摘されやすいでしょう。
一方、クレンチングや、比較的音が小さいタッピングはなかなか気がつかれにくい歯ぎしりです。
日中の歯ぎしり
日中の安静時に上下の歯が接触し続けることを、上下歯列接触癖(TCH)と言います。
寝ている間の歯ぎしりに比べ歯にかかる力はとても弱いですが、接触している時間が長いため歯に負担がかかり、口腔内のトラブルの原因になってしまいます。
歯ぎしりの原因は?
寝ている間の歯ぎしりの多くは、眠りが浅い時に行われています。
眠りが浅いと無意識に頬の筋肉に力が入ってしまいますが、熟睡している時には筋肉が動かないため歯ぎしりは起こりません。
歯ぎしりのはっきりとした原因は不明ですが、多くはストレスによるもので、寝ている間にストレスを発散しているとも言われています。
その他、歯並びによる噛み合わせの癖や、飲酒や喫煙が原因になるとも言われています。
日中に行う歯ぎしりは、パソコンやスマホの使用によって無意識に上下の歯を接触させることが習慣化してしまっている傾向が多いようです。
歯ぎしりの悪影響
歯ぎしりは歯や顎関節の負担だけではなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。
歯の欠けやすり減り
歯ぎしりによって強い力がかかることで歯の欠けやすり減りが起こります。
歯のすり減りによって歯がしみてしまう知覚過敏や、詰め物が取れてしまうことも。
ひどくなると歯にヒビが入って抜歯が必要になる場合もあります。
歯周病の進行
歯ぎしりは歯を支えている歯周組織にも悪影響を及ぼします。
すでに歯周病になっている方は、歯周病の進行が加速しやすくなります。
顎関節症
顎関節症とは、顎の関節痛みや口を開けた時に音がするといった、顎の関節の病気です。
強い力によって負担がかかり、顎関節の変形やずれが起こります。
頭痛や肩こり
歯ぎしりの時に使う筋肉は、頭の横にある側頭筋と呼ばれる筋肉です。
この側頭筋が歯ぎしりによって緊張することで頭痛や肩こりが起こると言われています。
歯ぎしりの治療法
- 睡眠
- ナイトガード
- 矯正治療・噛み合わせの調整
歯ぎしりを起こさないようにするために、質の良い睡眠を心がけましょう。
眠りが浅くなる寝る前のカフェインや飲酒を控えることも大切です。
歯科医院では、ナイトガードという寝ている間に装着するマウスピースを作製する治療法があります。
ナイトガードを装着することで歯の欠けやすり減りを予防することができ、負担が軽減されます。
また、矯正治療や噛み合わせの調整によって歯ぎしりが解消する場合もあります。
詳しくは歯科医師にご相談ください。