毎年6月4日は「6(む)4(し)」にちなんで「虫歯予防の日」としていました。
そして6月4日〜10 日までの1週間は厚生労働省・文部科学省・日本歯科協会などが「歯の衛生週間」を実施していました。
これが50年ほど続いていましたが、平成23年8月の「歯科口腔保健の推進に関する法律」の施行に伴い、そして日本学校歯科医会が主催に加わり、名称を「歯と口の健康週間」に変更しました。
これまでの歯の衛生週間は、国民の皆さんに「歯の衛生に関する正しい知識を知ってもらうこと」でしたが、この名称変更で「歯のみではなく口腔及びその周囲等の健康を増進していくことを目的とすること」が狙いとなりました。
名前が変更されたのが平成25年だったため、「歯の衛生週間」の方が聞いたことがあるかもしれません。
名前は知っていても何をしているかみなさんは知っていますか?
毎年行われていますが、なにをしているのか知っている人は結構少ないかもしれません。
今回は歯と口の健康週間ではなにをしているのか、行われている意味を説明していきたいと思います。
昔は虫歯はできてしまったら治療するものと考えられてきました。
それがだんだん予防の大切さが周知されるようになってきて、今ではほとんどの歯科医院で定期検診を勧めています。
そして先ほども書きましたが、2011年8月に「歯科口腔保健の推進に関する法律」が施行されました。
その法律に定められたのが、「歯のみでなく口腔及びその周囲等の健康を増進していくことを目的とする」と定められています。
歯のみではないということは、虫歯だけに気をつけるのではなく、歯周病にも注意しなくてはいけないということです。
「歯科口腔保健の推進に関する法律」は次の基本理念に基づいています。
- 国民が、生涯にわたって日常生活において歯科疾患の予防に向けた取り組みを行うとともに、歯科疾患を早期に発見し、早期に治療を受けることを促進する
- 乳幼児期から高齢期までのそれぞれの時期における口腔とその機能の状態、及び歯科疾患の特性に応じて、適切かつ効果的に歯科口腔保健を推進する
- 保健、医療、社会福祉、労働衛生、教育その他の関連施策の有機的な連携を図りつつ、その関係者の協力を得て、総合的に歯科口腔保健を推進する
虫歯と歯周病はお口の中の病気の2大疾患といわれています。
どちらも、悪化してしまった最終的な結末は歯を抜く、喪失するということです。
日常生活をする上で口腔内の健康は基礎的で重要な役割を果たしています。
その健康を高齢になっても維持することが大切です。
今まではどちらかというと虫歯の方ばっかり心配されていて、歯周病に関してはあまり知られていませんでした。
しかしどちらも予防しなければいけない重要なこととして、この法律が定められました。
それをもっとみんなに知ってもらおうというのが歯と口の健康週間なのです。
次回は「歯と口の健康週間」は具体的にどんなことを行っているのかについてお話しますね。