口の中の状況によって、歯茎から膿が出てしまうことがあります。
白っぽい、もしくは黄色っぽい、粘着性のある液体で少し気持ち悪いですね。
また液体が出ていなくても、歯茎がぷっくり腫れている場合があります。
膿が出てしまうときは、痛みが出ない場合があれば、噛んだときに痛い場合、とても腫れてしまって我慢できないくらい痛みが出る場合があります。
膿はなにが原因で出てしまうのでしょうか?
また、膿が出てしまったとき、歯科医院に行かなければならないのですが、歯科医院に行くまでになにをすればいいのか、またはやってはいけないことはあるのか、みなさんはわかりますか?
自分で判断してやってしまったことが、後々さらに悪化する原因になってしまうかもしれません。
もし膿が出てしまった場合でもしっかり対応できるよう、ここで知識をつけていってください!
お口の中にはとてもたくさんの細菌がいます。
その細菌を除去するために私たちは毎日歯磨きなどをしています。
しかし、歯磨きなどではなかなか全ての細菌を除去することができません。
そんな時に、身体の中の免疫細胞である白血球などは常にその細菌と戦っていて、細菌が活動しないように抑えています。
しかし、ブラッシングなどで細菌が除去できない場所があったり、または疲れなどで白血球の働きが弱くなってしまったりすると、白血球は細菌に負けてしまいます。
そうすると白血球などの死骸が膿となって出てしまうのです。
歯茎から膿が出てしまう場合、考えられる原因が3つあります。
1つめは歯の根っこの先に膿の袋ができてしまうことです。
これができてしまうのは、必ずではないですが、虫歯が深くなってしまう、その他なんらかの原因で神経が死んでしまった歯や、神経を取る治療をした歯です。
健康な神経が残っている歯にはできることはありません。
なぜそういった歯の根っこ先に袋ができてしまうのかというと、神経を取る治療をしたときにそれがしっかりできていない、治療が不十分だった場合、神経が入っていた通路の中で細菌が感染してしまうのです。
そうすると根っこの先に膿の袋ができてしまいます。
放置すればするほど周りの骨が溶けていき、膿の袋は大きくなる場合が多いです。このことを根尖病巣または歯根嚢胞といいます。
ほとんどの場合、神経がない歯や中で死んでしまった歯にできますが、たまに歯の根っこが噛み合わせの力や、それ以外の原因で割れてしまうことがあります。
その時も割れた部分から細菌が入り込んで根尖病巣、歯根嚢胞ができることがあります。これが2つめの原因です。
それから、根尖病巣以外にも歯茎から膿が出てしまう原因があります。
3つめの原因は、歯周病です。
歯周病は簡単に説明すると、歯を支えている骨がだんだん溶けてしまう病気なのですが、骨が溶けてしまうことにより、歯と歯茎の間にある歯周ポケットが深くなってしまいます。
ポケットが深くなればなるほど、ポケットの中に汚れが溜まりやすくなり、その上、歯ブラシでは落とせない部分なので、歯科医院でクリーニングを行わない限り、溜まった汚れは減ることはなくむしろ増えていく一方です。
どんどん増えてしまう細菌に身体の白血球などが勝てなくなってしまい、膿が出てしまうのです。
治療方法について次回お話します。